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E-Kit-Gateway-Manual

E!Kit Gateway Manual













E-Kit EnOcean IoT ゲートウェイ 取扱説明書







E-Kit EnOcean IoT ゲートウェイ













株式会社デバイスドライバーズ
2022年4月18日 第3版
配布元 https://devdrv.github.io/E-Kit-Gateway-Manual/

目次

1. はじめに

このたびは、E-Kit EnOcean ゲートウェイをご購入頂きまして、ありがとうございます。 ご使用前に次項の「安全上のご注意」に気を付けて、安全にお使いください。

1.1. 安全上のご注意

本機器は、電波法に準拠したEnOcean 省電力無線通信技術に基づいた製品です。電源(ACアダプター)部分の誤った使い方をした場合には、事故が発生する場合もあるので、次の通り十分気を付けてご利用ください。

1.2. 製品概要

E-Kit EnOcean ゲートウェイは、EnOcean 無線通信プロトコルに準拠した各種のEnOcean センサーから送信される信号を受信して、TCP/IP に変換して出力する機器です。

E-Kit EnOcean ゲートウェイは、EnOcean 無線通信プロトコルに準拠した各種のEnOcean センサーから送信される信号を受信して、TCP/IP に変換して出力する機器です。E-Kit EnOcean ゲートウェイでは、ドイツ Digital Concepts社開発の Smart EnOcean Gateway をベースに、オープンソースの独自ソフトウェアを搭載することで、拡張性が高く使い易い機能を実現しています。次の特長を持ちます。

なお本システムソフトウェアと本説明書は、不具合の解消や新機能の追加に伴って、予告なくバージョンアップ(内容を更新)する場合があります。また更新の有無に関わらず、説明画面や説明内容が、多少実際とは異なる場合がありますが、ご了承をお願いします。問題点のご報告やご要望は「e-kit@devdrv.co.jp」宛に、メールでご連絡をお願いします。

1.3. 機能

本製品の機能を「基本機能」と各サービスに固有の「拡張機能」に分けて、より詳細に説明します。

1.3.1. 基本機能

本製品の基本的な機能です。

1.3.2. サービス接続機能

E-Kit EnOcean ゲートウェイでは次の各種サービスへの接続機能をサポートしています。これらの機能は今後、拡充、更新される場合があります。

2. 起動とネットワーク接続

本装置は、TCP/IP有線LAN回線に接続することで、EnOcean無線データを転送することが可能です。

アンテナを装着し、Ethernetコネクターをインターネット接続可能な回線に接続してから、ネットアンテナ側の「5V DC」コネクターに、製品添付のACアダプターを差し込んで電源を投入します。電源スイッチはありません。LED点灯後約30秒程度で利用可能になります。

2.1. IPアドレス

E-Kit EnOcean ゲートウェイは次の2種類のIPアドレスを持っています。IPV4アドレスだけを扱い、IPV6アドレスは使用しません。

以降はWebブラウザからE-Kit EnOcean ゲートウェイに接続するための手順について説明します。

接続するネットワーク環境でDHCPを用意している場合は、 ゲートウェイをネットワークに接続するための設定は必要ありません。次項の「ゲートウェイのIPアドレス探索」の説明に従ってゲートウェイのアドレスを発見後、Webページにアクセスしてください。

接続するネットワーク環境でDHCPが利用できない場合、 ゲートウェイを固定IPアドレスに設定して使用します。ゲートウェイのデフォルト設定がDHCPになっているため、一度DHCP環境でゲートウェイに接続、ログインしてシステム設定のIPアドレスを設定する必要があります。ゲートウェイが接続するネットワーク環境でDHCPが利用できない場合は、緊急用IPアドレスに接続して設定する方法があります。詳細手順は「補足情報」 4.1 項「緊急用IPアドレスへの接続」を参照してください。

2.2. ゲートウェイのIPアドレス探索

ブラウザで E-Kit EnOcean ゲートウェイにアクセスする場合、接続先のアドレスを指定する必要があります。

なおDHCPを使用せず、固定IPを設定している場合でも、同様の手順でゲートウェイのIPアドレスを確認することが可能です。  

2.2.1. 探索手順

uPnPに対応したWindows搭載PCを使用した、IPアドレスの探索手順を示します。探索する場合は、最初にWindows PCをE-Kit EnOcean ゲートウェイと同じサブネットのネットワークに接続して、次の方法で確認します。

ネットワークの表示
画面 「ネットワークの表示」
ネットワークデバイス
画面 ネットワークデバイス

3. 基本機能

E-Kit EnOcean ゲートウェイは、Webブラウザを使用して「ゲートウェイ コントロール」と呼ぶ、ゲートウェイが用意するホームページにアクセスして操作します。 この章では、ゲートウェイ コントローラーを使用して操作できる機能を解説します。

3.1. 基本操作

ログイン、ログアウトとシャットダウンなどの基本的な操作を説明します。

3.1.1. ログイン

初めてコントロールページにアクセスする場合は、ログイン画面が表示されるので、Usernameに「admin」、Passwordに「admin」を入力後「Login」をクリックして接続します。

ログイン状態は、ログアウトするかブラウザを閉じるまでの間、継続します。UsernameとPasswordはログイン後に設定可能となる「システム設定」ページで変更することができます。

Gateway ログイン
画面 Gateway ログイン

3.1.2. コントロールページ

ログインに成功すると、次の様なメイン操作画面の「コントロールページ」が表示されます。E-Kit EnOcean ゲートウェイの基本操作は、このページで行います。次のコントロールページの各項目の役割を説明します。

コントロールページ
画面 コントロールページ

3.1.3. シャットダウンと再起動

コントロールページの「システム」グループのラジオボタンを選択して「停止」または「再起動」を設定後、「実行」ボタンのクリックでシステム全体がシャットダウン、または再起動します。シャットダウン後もアンテナ横の青色LEDは点灯したままです。電源が切れたかどうかは、LANケーブルコネクタのLEDが消灯したことで判断します。電源ボタンはありません。電源断後の再起動時は、ACアダプターのケーブルを抜き差ししてください。

シャットダウン、再起動とログアウト
画面 シャットダウン、再起動とログアウト

3.1.4. ログアウト

コントローラーページの「ログアウト」リンクをクリックすることで、すぐにログアウトしてログイン画面に遷移します。 ログアウトしても、各種ゲートウェイ機能は動作したままです。

3.2. EnOcean 設定

E-Kit EnOcean ゲートウェイは、次のEnOcean動作モードに対応した、EnOceanセンサーの受信機能を提供します。 EnOcean受信動作モードの設定は、「EnOcean動作モード」ラジオボタン選択後、「動作モード」のラジオボタンを選択して、「実行」ボタンをクリックして確定します。

EnOcean 動作モード設定
画面 EnOcean 動作モード設定

3.2.1. 登録済デバイスの表示

E-Kit EnOcean ゲートウェイに登録されたEnOceanデバイス(各種センサーとスイッチ類)は登録済デバイスとして、コントローラーページに次の様に表示されます。

登録済デバイス表示
画面 EnOcean 登録済デバイス表示

3.2.2. センサーデバイスの新規登録

「新規登録」モードを実行すると、既存のセンサー登録設定を削除して、新規センサーの登録を開始します。このモードで動作中に登録するセンサーの「LEARN」ボタンを押して、センサーを登録してください。 「運用」モードに切り替えることで、「登録」モードを終了します。 この「新規登録」モードの実行により、確認無しで登録済の全センサーの情報が削除されます。ご注意ください。

3.2.3. センサーデバイスの追加登録

「追加登録」モードを実行すると、センサーの追加登録を開始します。このモードで動作中に登録するセンサーの「LEARN」ボタンを押して、センサーを登録してください。「運用」モードに切り替えることで、「登録」モードを終了します。

3.2.4. 運用

登録済センサーのデータを受信します。ゲートウェイ起動時はこのモードで動作しています。

登録済のセンサーからのデータだけを受信して、ゲートウェイ機能としてETK、あるいはOPC UAサーバーとしてデータ転送します。データ受信は、EnOcean無線通信のテレグラムフィルター機能を使用して、登録デバイスのデータだけを取り込みます。EnOcean 通信機器が多い環境でも受信データのバッファーオーバーフローによるデータの取りこぼしがありません。

3.3. iBRESS / ETK 設定

iBRESS ETK 設定
画面 iBRESS ETK 設定

なお設定内容が間違っている場合、あるいは設定完了時に接続先のiBRESSサーバーに接続できない場合には、通信プログラムのETKが起動しないので、注意してください。

3.4. Azure IoT Hub 設定

機能選択ラジオボタンの「Microsoft Azure」をクリックして、Microsoft Azure IoT Hub の設定を行います。基本的な設定は、接続する IoT Hub の iothubowner 権限を持つ CS (Connection String) だけです。Connection Stding は入力した最後の5文字だけが表示されます。

Connection Stding を空に設定して「実行」ボタンをクリックした場合は、 Azure IoT Hub への転送を停止します。

Data Domain の項目は、Azure IoT Hub には定義されていませんが Device ID のプレフィックスを指定します。これは運用上、データポイント名を他の ETK や OPC UA 接続サービスと同様にするための互換性を保つために使用します。プレフィックス(デバイスIDの前に付加する特定の文字列)が必要なければ、空のままとしておきます。その場合、ゲートウェイで自動付加したデータポイント名をそのまま Device ID として使用します。

「実行」ボタンをクリックすると5秒程度で設定と IoT Hub の更新が完了し、接続プログラム (IoT Edge) が再起動します。この設定した内容は保存され、ゲートウェイの再起動時には設定した内容で、自動的に Azure IoT HUb 通信を開始します。

Azure IoT Hub 設定
画面 Azure IoT Hub 設定

3.5. OPC UA 設定

機能選択ラジオボタンの「OPC UA」をクリックして、OPC UAサーバーの設定を行います。設定はサーバーのPort番号とデータDomain名だけです。「実行」ボタンをクリックして設定が完了し、OPC UAサーバーが再起動します。 この設定した内容は保存され、ゲートウェイの再起動時には設定した内容で、自動的にOPC UAサーバーを開始します。

Port番号を空に設定して「実行」ボタンをクリックした場合は、OPC UAサーバー動作を停止します。

OPC UAサーバー設定
画面 OPC UAサーバー設定

3.6. システム 設定

コントローラーページの「システム設定」のリンクをクリックすると、次の様な「システム設定」ページに移動します。以下にシステム設定ページの各設定項目を示します。

システム設定ページ
画面 システム設定ページ

システム設定ページでは次の機能をサポートしています。

またこのページには、ファームウェア更新ページへの移行リンクがあります。各項目の設定について説明します。

3.6.1. IPアドレス設定

E-Kit EnOcean ゲートウェイのIPアドレスを「自動(DHCP)」または「手動設定(固定IPアドレス)」のいずれかに設定します。手動設定の場合はさらに「IPアドレス」、「Net Mask」、「IP Gateway」、「DNS」、「ドメイン名」の設定を次の通り行います。各設定内容はすぐには設定されず、再起動後に有効になります。

IPアドレス設定時は設定項目ラジオボタンで「IPアドレス」を選択し、IPアドレスの種別を「自動(DHCP)」または「手動設定」のどちらかを選択します。「手動設定」時は各設定項目を入力します。この例ではNet Maskを「255.255.255.240」として設定していますが、上位28ビットをマスクするので「28」と入力しても同じです。入力設定後は「設定」ボタンをクリック後、再起動してください。

3.6.2. ユーザー設定

E-Kit EnOcean ゲートウェイにログインするユーザー名、またはパスワードを変更する場合に設定します。ログイン用ユーザーは1種類だけが登録可能です。パスワードを忘れてしまった場合に復帰する方法はないので、設定を変更する場合には、十分気を付けて運用してください。

ユーザー名の設定時はまずラジオボタンで「ユーザー名」を選択し、新たに設定する「ユーザー名」「パスワード」「確認入力」を入力後、「設定」ボタンをクリックします。ユーザーの設定変更は、その場ですぐに実行されるので、設定後は新しいユーザー設定で再度ログインする必要があります。

3.6.3. バージョン情報表示

E-Kit EnOcean ゲートウェイ 搭載のシステムソフトウェア(ファームウェア)の名称とバージョンを表示します。

3.7. モニター機能

EnOcean テレグラムの受信状況を示すモニター機能には、次の2種類があります。

全テレグラムのモニターは、EnOcean 動作モードを「モニター」に設定して「実行」することで動作します。 ゲートウェイ操作対象テレグラムのモニター機能は、コントローラーページの「ログ表示」のリンクをクリックすることで動作します。次に表示例を示します。モニターページで「取り消し」をクリックすることで終了します。

操作対象テレグラムのモニター
画面 操作対象テレグラムのモニター

3.8. ログファイル機能

コントローラーページの「ログファイル」のリンクをクリックすることで、EnOcean ゲートウェイの動作状況記録を管理、表示するログファイル設定ページに移動します。次の設定と操作が可能です。

OPC UAサーバー設定
画面 ログファイル設定ページ

3.8.1. ログファイル参照

ログファイル設定ページで ログファイル参照 をクリックするとログファイル一覧をブラウザの別のタブで表示します。各ログファイルは次の規則で名前付けられ、システムの再起動時に更新します。

mod-yyyymmdd-hhmmdd.log

各ログファイル内のメッセージ行には、主に動作の開始、終了、通信、操作内容が時刻情報とともにCSV形式で記録されます。

3.8.2. ログファイル一覧

取得したログファイルはモジュール別、日付順で一覧表示します。

ログファイル一覧表示(ファイル名クリックで内容表示)
画面 ログファイル一覧表示(ファイル名クリックで内容表示)

3.8.3. ログファイルダウンロード

各ログファイルは、一覧表示画面から右クリックして、ブラウザの機能でダウンロードすることが可能です。ファイル拡張子は .log ですが、CSV形式で記録しています。

ログファイルのダウンロード
画面 ログファイルのダウンロード

3.8.4. ログファイル表示

ブラウザに表示している各ログファイルの表示行をクリックすると、CSV形式のログデータを表示します。この表示画面でも、ブラウザの機能でログデータをそのままダウンロード可能です。

ログファイル表示例
画面 ログファイル表示例

3.9. ファームウェア更新

E-Kit EnOcean ゲートウェイ搭載のシステムソフトウェア(ファームウェア)は、機能向上や不具合の解消、新機能の追加のため、バージョンアップする場合があります。更新用ファームウェアは DDP 拡張子を持つ特殊な形式の圧縮ファイルで、ホームページまたはメールなどで配布します。

新しいファームウェアへの更新作業は、「システム設定ページ」の「ファームウェア更新」リンクをクリックして表示される「ファームウェア更新ページ」で行います。以降に、更新手順を示します。

ファームウェア更新リンク
画面 ファームウェア更新リンク
ファームウェア更新ページ
画面 ファームウェア更新ページ
ファイルの選択ダイアログ
画面 ファイルの選択ダイアログ
更新ファイル確認
画面 更新ファイル確認
更新完了
画面 ファームウェア更新完了

4. 補足情報

4.1. 緊急用IPアドレスへの接続

ゲートウェイの緊急用固定IPアドレス、192.168.249.249 (サブネットマスク255.255.255.0=24ビット) に接続する方法を示します。通常の環境では、この緊急用IPアドレスに接続できないので、ここでは、操作しているWindows PC(自マシン)に192.168.249.0/24のサブネットのIPアドレスを追加する手順を紹介します。

192.168.249.0/24サブネットに接続する設定変更が可能であれば、LinuxやMacintoshなど、Windows以外のマシンを使用してアクセスすることも可能です。また、IPアドレスを追加せずに一時的に変更するなど、他の方法で試しても構いません。

4.1.1. 自マシンのアドレス追加

ネットワークと共有センター
画面 ネットワークと共有センター
設定:ネットワークとインターネット
画面 設定:ネットワークとインターネット
ネットワーク接続メニューのプロパティ選択
画面 ネットワーク接続メニューのプロパティ選択
イーサネットのプロパティ
画面 イーサネットのプロパティ
インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)のプロパティ
画面 インターネット プロトコル バージョン 4 (TCP/IPv4)のプロパティ
TCP/IP 詳細設定
画面 TCP/IP 詳細設定
TCP/IP アドレスの追加入力
画面 TCP/IP アドレスの追加入力
TCP/IP 詳細設定の確認
画面 TCP/IP 詳細設定の確認

これでゲートウェイの緊急用固定IPアドレスに接続できる様になりました。固定IPアドレスを設定する場合には、ブラウザを起動して、URL入力欄に緊急IPアドレスの「192.168.249.249」を入力して接続し、ログインします。ログイン後は、3.5項の「システム設定」の説明に従って固定IPアドレスを設定後、再起動してからご利用ください。

5. サポートと保証

本製品は、日本国内の屋内の一般的な利用環境で使用された場合には、不具合発生時にご購入後1年間の無償修理による保証を行います。保証期間内であっても、規定外の利用や改造による故障、火災・地震や台風等の天災が原因の場合は、無償保証の対応外とさせて頂きます。

不具合でお困りの場合、あるいは保証に関して不明な点はご購入先、または株式会社デバイスドライバーズ E-Kit事業部「e-kit@devdrv.co.jp」宛にメールでお問い合わせください。

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E-Kit事業部
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